涙は嘘の空色で

「かくしごと」裏日記。過去の詞や文章の再掲載もあり。ポエム寄りかなと思った言葉はこちらで。

行方(2002.7.10)

放課後になるまでの時間の長さ
うしろめたい気持ちのつくり笑い

今はただ見えてる世界に無関心で
ぼんやりと空を仰いだ帰り道

 

長くなっていく沈黙の時間と
中途半端な優しさと 距離と
ほんの少し悟られていたのかもしれない
偶然という言葉を君は嫌った

 

離れていく不安よりも
忘れていく刹那よりも
覚えている手の感触

 

避けられないあやふやな答えと
自分勝手な反抗の裏で
どうにかなりそうな気持ちを紛らわせていた
半分を伝える前に居なくなった

 

少しだけ君を忘れて
少しづつ時を重ねて
リアルになっていくこの瞬間

 

薄れていく記憶よりも
忘れていく刹那よりも
嘘みたいなこの瞬間

 

ぼんやりと空を仰ぐ

 

 

 

【解説的なもの】

これも前回のミラージュ(2002.4.10) - 涙は嘘の空色でと同じく15年前、18歳当時の詞。この詞も個人的に「いい感じにできた…!」と気に入っている思い出。自己満足なのです。

背景を詳細に明かすと「そういう歌」にしか見えなくなるかもしれないのでここではあやふやにしておきたいけれど、まあ恋愛や人間関係で何かがあったことがきっかけなのは間違いないです。人間関係で何かがあるってとてもしんどいからね。詞はそこからフィクションを混ぜていけるから好きだ。自分の体験や感情を別の何かとして生まれ変わらせる作業はとても面白く、しんどい感情を少し忘れさせてくれた。