涙は嘘の空色で

「かくしごと」裏日記。過去の詞や文章の再掲載もあり。ポエム寄りかなと思った言葉はこちらで。

プレゼント、さくら色の本棚

友達じゃないとすれば、随分と長い間恋をしてきたんだ。

「じゃない」とすれば、なんだろう。

 

確かに寂しさはあったし、それは誰に伝えるものでも伝えられるものでもないのだろうし、
正しさが羨ましくもあったのかもしれない。

 

あの一文字について考えることも、その状態を認めることへのざわめきも、その逆の平穏さも。
これはなんなのだろう、としばらく考えていた。

 

多分、いや絶対
このプレゼントをくれるのは
きみ以外には。

 

春に酔っているわけではなかった。
おしゃべりをすることがあんなに楽しいということも、夜がなかったら気づかなかった。

 

友達じゃないとすれば、なんだろう。
一応聞いてみたけれど、あまり参考にはならなかった。
きっとまた聞くだろう。あなたは聞いてくれるだろう。

そして、美しくあいまいな いつもの相槌をくれるのだろう。

 

私の本棚に新しいひみつが加わった。
あの人が思うよりずっとずっと輝いている、無機質なひみつ。

 

(2014年 3月頃の散文を新たに編集。)