プレゼント、さくら色の本棚
友達じゃないとすれば、随分と長い間恋をしてきたんだ。
「じゃない」とすれば、なんだろう。
確かに寂しさはあったし、それは誰に伝えるものでも伝えられるものでもないのだろうし、
正しさが羨ましくもあったのかもしれない。
あの一文字について考えることも、その状態を認めることへのざわめきも、その逆の平穏さも。
これはなんなのだろう、としばらく考えていた。
多分、いや絶対
このプレゼントをくれるのは
きみ以外には。
春に酔っているわけではなかった。
おしゃべりをすることがあんなに楽しいということも、夜がなかったら気づかなかった。
友達じゃないとすれば、なんだろう。
一応聞いてみたけれど、あまり参考にはならなかった。
きっとまた聞くだろう。あなたは聞いてくれるだろう。
そして、美しくあいまいな いつもの相槌をくれるのだろう。
私の本棚に新しいひみつが加わった。
あの人が思うよりずっとずっと輝いている、無機質なひみつ。
(2014年 3月頃の散文を新たに編集。)