涙は嘘の空色で

「かくしごと」裏日記。過去の詞や文章の再掲載もあり。ポエム寄りかなと思った言葉はこちらで。

灰色のドーナッツ(2017.9.29)

傷をえぐるような台詞を
簡単に飲み込めるほど強くはない

 

その空洞からながめたら
世界が少し変わればいいのに

 

穴をふさぐような痛みを
その場だけごまかして 今日も微笑う

 

天気がいい日の憂うつも
カーディガンで隠せばいいから

 

耳をふさぐような演技を
簡単に信じられるほど鈍くもない

 

心の中に住んでいるのが
ただの気のせいなら良かったのに

 


この喜びも 灰色も
君のせいだと言えたら良かった

 

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 【解説的なもの】

闇ポエム寄り。最近毎日体の調子がおかしいので(命には関わらない)、どうしても考えが憂うつなものに行き着く。

そんなときは書けばいいのさ。って感じのテンションです。

落ちるときは落ちたほうがいいときもある。ずっとその場所にはいられないからね。

 

ドーナッツのかわいらしさと空洞から見た景色の寂しさと、少しダメージのあること。ちなみにドーナッツと牛乳のマリアージュは最高だ。

終電日記(2003.8.3)

少しも目立たないのなら
それは無意識に隠した
見せたくもないもの
見せても意味ないし

 

疲れやすくて嫌になるよ
だけど案外痛くはない
何故かってそれは自分だから
ありのままでいい終電車

 

すぐに僕を探してくれるけど
それはもう
実は最後の方
ここが海なら沈んでいるかも
やっぱ嫌い
でも優しい

 

 

落ちついた声の日だから
もっと真剣に
答えてくれるかと思った
あとは眠るだけだ

 

話しやすくて嫌になるよ
ドラマみたいに普通かもよ
シールでとめた心変わり
どうでもよくなる終電間際

 

すぐに闇を消してくれるけど
それはもう
実はサイコロ風
幸せくれる その逆もくれる
気味が悪い
でも返信

 

期待したら霞んでしまうけど
その手前
タイミング綺麗に
幸せくれて その逆もくれて

 

気味が悪い
でも嬉しい

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【解説的なもの】

ポジなときネガなときどちらもあるな、的な話をしていて思い出したのでこちらを。

これは完ぺきに自分がネガ寄りの詞ですね。

終電→最後 に置き換えて。

体の不調、人間関係、いろいろな悩みがミックスして出来た詞。

「最後の方」に似たフレーズで「サイコロ風」が思い浮かんだときにめちゃくちゃ達成感があった。笑

あの子が名前を思い浮かべるのは一体何番目なのかな。「そう」思っているのは自分だけかもしれないし、それはサイコロみたいにランダムなのかもしれない。

…って感じのモヤモヤが詰まっている。

めんどくさい系女子だったなあ…まあ、19歳だからなあ。仕方ない仕方ない(自分でフォローするむなしいスタイル)。

デザートが足りない(2017.9.13)

「いつか」「絶対」は架空の遊園地
言葉だけで満足したほうがいい

 

「あとで」は砂糖の足りないビスケット
噛み砕いて 割れて 味見できないスリル

 

私には音楽があって
音楽には言の葉が寄り添う

 

あの人を基準に書くの?有限実行
言葉だけは裏切らないと思ってた

 

また誰かを基準に泣くの?
有名な後悔

 

 

私にも感情はあるから
いくつかのゴミ箱を探した

 

 

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15分ぐらいで書いた。
「いつか」はなかなか来ないよってことを自分にも込めて書きたかった。ちょっと闇ちっく。


「あとで」「いつか」は架空の遊園地


から始まっていろいろ広げられた。やった。

ちなみに詩というより自分では詞と言うことが多い。リズムを歌詞のように合わせていることが多いからです。
たとえば歌にしたとしてもフレーズが余りすぎないように。そういうのを考えるのが大好きなんだよね…このリズムに合う言葉は?と探すのが楽しい。


言葉が届いているときも届いていないと思うときも、生活は続いていく。

 

☆表の日記では絶賛SMAP日記を公開中です☆

http://namida-wa-sorairo.hatenablog.com

夕暮れの嘘(2017.9.12)

夕焼けの美しい日
こうしてだんだん夜になる。

 

渋滞する車のランプ
数える間に連れてって。

 

いつのまにか期待していた
言葉を食べる勇気を捨てた

 

悲しみが色になった日
こうしてだんだん嘘になる。

 

 

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昨日見た夕陽が幻想的でとてもきれいだったので、その場で5分ぐらいで書いたものに少し付け足し。夕焼けってきれいだけど少し悲しい。

 

行方(2002.7.10)

放課後になるまでの時間の長さ
うしろめたい気持ちのつくり笑い

今はただ見えてる世界に無関心で
ぼんやりと空を仰いだ帰り道

 

長くなっていく沈黙の時間と
中途半端な優しさと 距離と
ほんの少し悟られていたのかもしれない
偶然という言葉を君は嫌った

 

離れていく不安よりも
忘れていく刹那よりも
覚えている手の感触

 

避けられないあやふやな答えと
自分勝手な反抗の裏で
どうにかなりそうな気持ちを紛らわせていた
半分を伝える前に居なくなった

 

少しだけ君を忘れて
少しづつ時を重ねて
リアルになっていくこの瞬間

 

薄れていく記憶よりも
忘れていく刹那よりも
嘘みたいなこの瞬間

 

ぼんやりと空を仰ぐ

 

 

 

【解説的なもの】

これも前回のミラージュ(2002.4.10) - 涙は嘘の空色でと同じく15年前、18歳当時の詞。この詞も個人的に「いい感じにできた…!」と気に入っている思い出。自己満足なのです。

背景を詳細に明かすと「そういう歌」にしか見えなくなるかもしれないのでここではあやふやにしておきたいけれど、まあ恋愛や人間関係で何かがあったことがきっかけなのは間違いないです。人間関係で何かがあるってとてもしんどいからね。詞はそこからフィクションを混ぜていけるから好きだ。自分の体験や感情を別の何かとして生まれ変わらせる作業はとても面白く、しんどい感情を少し忘れさせてくれた。

ミラージュ(2002.4.10)

軽い屈辱が心地良かった
何の為の涙だろう
またこの場所に戻ってきたんだ

 

「はじめから分かっていた」などと
出口を探している君の表情が
本当は心配で仕方なかった
私のようにはならないで

 

見つからない
声も聞こえない
夢だったらいい
それなら昨日を忘れてみるから
君の言葉を返して


重い約束が離れなかった
誰の為の私だろう
まだあの夏から動けないでいるんだ

 

それなりに
解っている素振りを演じてはみるものの
優越感
君に飽きられた気がしてならないから
同じ痛さを抱えてく

 

後悔して
嘘を振りまいた
夢ならよかった
だけどね
もうすぐあの日が来るから
君の悲しみ 返すよ


誰かに重ねて私を見ている
その目で消せない事実を見ている

 

増えつづける
最後の抵抗
独占欲は
君にあげるって決めたんだ
だから
明日全てを話すよ

 

 

 

【解説的なもの】

15年前かーーー。18歳。この詞は『教室のミラージュ』という漫画のタイトルが綺麗だなと頭に残っていたのもあり、夕暮れの教室をイメージして書いた思い出がある。漫画の内容自体はちょっとサスペンス入っていたと思うので詞の内容とはリンクしていないけど、においはあるかもしれない。思い描いていた世界観が出せたとの自己満足で、今でも気に入っている。

プレゼント、さくら色の本棚

友達じゃないとすれば、随分と長い間恋をしてきたんだ。

「じゃない」とすれば、なんだろう。

 

確かに寂しさはあったし、それは誰に伝えるものでも伝えられるものでもないのだろうし、
正しさが羨ましくもあったのかもしれない。

 

あの一文字について考えることも、その状態を認めることへのざわめきも、その逆の平穏さも。
これはなんなのだろう、としばらく考えていた。

 

多分、いや絶対
このプレゼントをくれるのは
きみ以外には。

 

春に酔っているわけではなかった。
おしゃべりをすることがあんなに楽しいということも、夜がなかったら気づかなかった。

 

友達じゃないとすれば、なんだろう。
一応聞いてみたけれど、あまり参考にはならなかった。
きっとまた聞くだろう。あなたは聞いてくれるだろう。

そして、美しくあいまいな いつもの相槌をくれるのだろう。

 

私の本棚に新しいひみつが加わった。
あの人が思うよりずっとずっと輝いている、無機質なひみつ。

 

(2014年 3月頃の散文を新たに編集。)